麺の硬さは食券をお出しになるときに口でどうぞ(券売機にボタンはありません)/麺上げから丼まで 12/出前・お持ち帰りはしません/カウンター9席/無休(元日のみ休み)

木のカウンターに置かれた豚骨ラーメンの丼を、ほぼ真上から写した写真。丼は黒地に赤と黄の雷文が回った柄物で、海苔が二枚立ててあり、チャーシューが二枚、刻んだ青ねぎがたっぷり、きくらげ、白身の見えている煮玉子、その下に細い麺が沈んでいる。黒いレンゲが丼の左に差してあり、割り箸が丼の右上の縁に渡してある。奥に簾、右奥に薬味の器と紙ナプキン、右側に日本語と英語のトッピングの値段表、左に湯呑みと調味料の容器

五反田

秒針ラーメン屋(博多細麺・深夜まで)豚骨ラーメン 秒針麺は、丼の中でも茹だっています。

Photo: Crystal Jo / Unsplash
写真は実在するラーメン屋の丼で、秒針の店内ではありません。右に写っている値段表は読める大きさですが、うちの品書きでも、うちの値段でもありません。そこに「生ビール」が一行で載っています ── うちは酒だけではお出ししないので、下の「深夜のこと」と真逆のことが、この一枚には写っています。雷文の丼も、二枚の海苔も、きくらげも、煮玉子も、うちの標準ではありません。全部足した丼です。そして、いちばん大事なこと ── この丼には、まだ箸が入っていません。この状態は数十秒しかもちません。写真は秒を止められますが、丼は止まりません。あなたの前に出る丼は、必ずこの写真より先へ進んでいます。

五反田。豚骨と、細い麺と、九つの椅子。麺の硬さは秒で決まっていて、品書きにも秒で書いてあります ── ハリガネ二十秒、バリカタ三十秒、カタ四十五秒、普通一分。ただし、その秒は釜の中の話です。丼に移した麺は、九十度のスープの中でまだ茹だっていて、卓上でも硬さが変わり続けます。だからお選びいただいているのは、いま出てくる麺ではなく、五分後の麺です。

麺の硬さは秒で書いてあります麺上げから丼まで 12秒出前・持ち帰りはしません
  • 麺は全部同じ釜で茹でます。小麦は、どの丼にも必ず入っています。
  • 一玉は 110g と小さめです。足りないぶんは替え玉で足してください ── 大盛りを作らないのは、大きい丼ほど最後の麺が伸びるからです。
  • 券売機は入って右にあります。硬さは食券を出すときに口でおっしゃってください。
  • スープの温度は丼で 90℃前後です。麺が茹だり続けるのはこのためで、猫舌の方は「やわ」をおすすめします。
  • 深夜も麺を切らしません。酒だけのご注文はお受けしていません。
0

麺の時計

カウンターの向こうで実際に答えていることを、そのまま置いた装置です。硬さを選ぶと、釜の中の秒と、丼が置かれてからの十分間に何が起きるかを答えます。釜の秒は墨、卓上の秒は黄で組んであります ── 前者はもう終わった時間で、後者はあなたの側でまだ減っている時間だからです。

硬さをお選びください。釜の中の秒と、丼が置かれてからの十分間に何が 起きるかをお答えします。

お出ししていない硬さ

粉落とし5湯気通し10
  • 粉落とし粉を落としただけで、まだ麺になっていません。スープを吸わないので、卓上で何が起きるかを申し上げられません。
  • 湯気通し芯が残ります。スープが入る隙間が無いので、これも時間の話ができません。

釜の中

30

+ 丼まで 12

バリカタのままでいられるのは

2分30秒

そのあとは下の帯のとおりです

0120300600
着丼
バリカタ
120秒
カタ
300秒
普通
600秒
やわ

いちばん多いご注文です。二分半のあいだはバリカタで、そこから下りていきます。

お選びいただいたのは、いま出てくる麺ではありません ── 五分後の麺です。五分後は「普通」。それでよろしければ、そのとおりに茹でます。

45

品書き

丼と、足すもの

丼は四つだけです。麺は全部同じ 110g で、大盛りはありません ── 足りないぶんは替え玉で足していただきます。同じ量でも、茹でる時刻をずらせるからです。

値段硬さ

秒針(ラーメン)

豚骨。麺 110g、チャーシュー一枚、青ねぎ、きくらげ。硬さは食券を出すときにおっしゃってください。

¥900お伺いします

味玉秒針

煮玉子が半分。黄身は固めません ── 割った黄身がスープに溶けると、麺の吸いかたが変わります。早めに割ってください。

¥1,050お伺いします

ねぎ秒針

青ねぎを三倍。ねぎは冷たいので、丼の温度が二度ほど下がります。麺の変わりかたも、そのぶん遅くなります。

¥1,080お伺いします

特製秒針

チャーシュー三枚、味玉、海苔三枚。具が増えるぶん、麺に触れているスープの面が減ります。いちばんゆっくり食べられる丼です。

¥1,350お伺いします

替え玉

一玉 110g。手を挙げてから届くまで、硬さの秒に二十秒ほど足してください。

¥150お伺いします

半玉

55g。三玉目からはこちらをおすすめします ── そのころにはスープが減っていて、一玉だと最後が粉っぽくなります。

¥100お伺いします

白飯

スープを残された方に。深夜も炊いています。

¥150──

瓶ビール

丼と一緒にお出しします。お酒だけのご注文はお受けしていません(下の「深夜のこと」)。

¥600──

ハイボール

同じく、丼と一緒にお出しします。

¥500──

烏龍茶

お冷やは無料です。こちらは瓶で。

¥300──

足すもの

  • 味玉(半分)¥150
  • 海苔(三枚)¥120
  • きくらげ¥150
  • 辛子高菜¥120
  • 青ねぎ¥120
  • チャーシュー(三枚)¥400
硬さと、釜の中の秒
粉落とし出していません5粉を落としただけで、まだ麺になっていません。スープを吸わないので、卓上で何が起きるかを申し上げられません。
湯気通し出していません10芯が残ります。スープが入る隙間が無いので、これも時間の話ができません。
ハリガネ20卓上で 90秒
バリカタ30卓上で 150秒
カタ45卓上で 240秒
普通60卓上で 360秒
やわ90卓上で 十分置いても変わりません
210

替え玉

締切から逆算する

上の装置が締切を出す装置なら、こちらはその内側を後ろ向きに走る装置です。食べ終わってから頼むと待つことになるので、締切から引き算して、手を挙げる時刻を出します。

替え玉は、言われてから茹でます。だから「食べ終わってから頼む」と、そこから 50秒ほど、空の丼を見て待つことになります。この装置は、その待ち時間が出ないように、手を挙げる時刻を締切から引き算します。

一玉目の硬さ

一玉を食べる速さ

玉の数

四玉までにしてあります。それ以上は、スープのほうが先に終わります。

丼が置かれた時刻を 0秒として、手を挙げる秒

  1. 1玉目(丼)0秒5分

    次の玉は 3分55秒 で手を挙げてください(茹で 45秒 + てぼと運びで 20秒)

  2. 2玉目(替え玉)5分9分15秒

    最後の玉です。ここで手は挙げません。

    一段やわらかく頼んでください。

卓上にいらっしゃる時間
9分15秒
お会計(麺のぶん)
¥1,050

一玉目について ── その速さだと、食べ終わる前に「カタ」ではなくなります。上の『麺の時計』でいうと、窓は 4分 です。硬さを一段やわらかくするか、玉を小さく分けてください。

二玉目からは、一段やわらかく頼んでください。丼のスープはもう温度が落ちているので、同じ秒で茹でた麺が、一玉目より硬いまま残ります。同じ硬さを頼むと、同じ硬さにはなりません。

替え玉のご予約はできません。「二玉目もお願いします」と先に言われても、茹ではじめるのは手が挙がってからです。先に茹でておくと、その玉は釜ではなくてぼの中で伸びます。

この装置は、あなたが自分の食べる速さを知っている前提で計算しています。だいたい外れます。外れたほうに合わせるのはこちらの仕事なので、手を挙げるのが早すぎても遅すぎても、そのまま茹でます。

替え玉のご予約はできません。「二玉目もお願いします」と先に言われても、茹ではじめるのは手が挙がってからです。先に茹でておくと、その玉は釜ではなくてぼの中で伸びます。

300

硬いほど、急ぐ

三つの訂正

硬さの表を上から読むと、上のほうが偉く見えます。そう読まれると困るので、三つ書いておきます。

四の一

硬く頼むほど、急がなければいけません。

麺が水を吸う速さは、最初がいちばん速い。ハリガネで出た丼は九十秒でバリカタになり、五分でカタになります。やわで出た丼は、十分置いてもやわのままです。硬いほど長持ちする、ではありません。逆です ── いちばん短い注文が、いちばん短い時間しか、その注文でいられません。

四の二

粉落としは、頂点ではありません。

五秒の湯通しは、粉を落として温めただけで、麺の中まで湯が入っていません。硬いのではなく、まだ茹だっていない。スープを吸わないので味も乗りませんし、卓上で何が起きるかもこちらから申し上げられません。時間の話ができない注文なので、うちでは出していません。湯気通しも同じ理由です。

四の三

やわは、妥協ではありません。

麺が吸うだけ吸ったあとの状態なので、いちばん変わりません。連れと話しながら食べるつもりなら、卓上で硬さが下りていかないぶん、最後の一本まで同じものを食べられます。急がされないという意味では、七つの中でいちばん自由な注文です。

つまり、硬さは上下ではなく、どの速さで変わるかの選択です。うちが訊いているのは「どれくらい硬いのがお好きですか」ではなく、「これから何分、この丼の前にいらっしゃいますか」に近い質問です。

12

湯切りのこと

うちが握っている12秒

厨房の話です。うちが時間について握っているのは、この十二秒だけで、あとは全部お客さまの側で走ります。

茹で釜
38L・98℃

湯量が減ると温度が落ちて、同じ二十秒でも別の硬さになります。継ぎ足しではなく、量を見て足しています。

湯の入れ替え
2時間ごと

粉が溶けた湯は麺の表面を変えます。混んでいる時間でも止めて替えます。行列があるときにお待たせしているのは、たいていこれです。

てぼ
6本

六本までは同時に茹でられます。七人目からは順番になるので、硬さの秒に待ち時間が乗ります。

湯切り
3回

多く振ると麺が冷え、少ないとスープが薄まります。三回で止めているのは、四回目からは湯ではなく麺の水分が出ていくからです。

麺上げから丼まで
12秒

茹で上がりを丼に移し、盛り付けて、カウンターに置くまで。ここを縮められないのは、盛り付けをやめれば縮む、という程度の縮みかたしかしないからです。

丼のスープ
90℃

これが下がらないので、麺は卓上でも茹だり続けます。ぬるくすれば伸びなくなりますが、それは別の食べ物です。

つまり、うちが責任を持って言えるのは「釜で何秒茹でたか」と「そこから十二秒で置いた」までです。あなたの前に置かれたあと、丼の中で何が起きるかは、うちには手が届きません。だからこのページは、届かないところの話ばかり書いてあります。

600

深夜のこと

ラーメンが、届出を要らなくしています

深夜0時を過ぎても、うちは酒を出します。そのために警察へ出している紙は一枚もありません。理由を書いておきます ── これは自慢ではなく、条件の説明です。

  1. 01

    深夜に酒を出す店には、届出が要ります

    風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)第33条は、深夜 ── 午前0時から午前6時まで ── に酒類を提供する飲食店に、公安委員会への届出を義務づけています。バーも居酒屋も、0時をまたいで酒を出すならこの紙が要ります。

  2. 02

    ただし、主食を出す店は外れます

    同法第2条第13項の「深夜酒類提供飲食店営業」の定義には、はじめから穴が空いています ──「営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものを除く」。ラーメンは通常主食と認められる食事です。だから深夜に酒を出しても、うちはこの届出の対象になりません。

  3. 03

    つまり、届出を要らなくしているのはラーメンです

    うちが深夜に酒を出せるのは、酒の店ではないからです。許可を取ったからでも、審査を通ったからでもありません。夜中に麺を茹で続けているという事実が、そのまま条件になっています。

  4. 04

    そして、その事実は壁に貼れません

    許可証なら額に入れて掛けられます。「営業の常態として主食を提供している」は掛けられません。昨日そうだったことは、今夜の証明になりません。これは資格ではなく、毎晩の事実です。

条件を毎晩つくるための決めごと

  • 酒だけのご注文はお受けしていません。ビールもハイボールも、丼と一緒にお出しします。
  • 深夜も麺を切らしません。閉店の三十分前でも、麺が無いという日を作らないように仕込みます。
  • お通しは出しません。席料もいただきません。うちは酒を飲む場所として席を売っていません。
  • 深夜に酒だけをお出しできない旨は、券売機の横と入口にも貼ってあります。断られてから知る、という形にしないためです。

この四つのどれかが崩れたら ── たとえば深夜に麺を切らして酒だけを出すようになったら ── うちは条件から外れます。そのときは届出を出します。例外の中にいるのは、そう決めたからであって、そういう資格を持っているからではありません。

20歳未満の方には、時間帯にかかわらずお酒をお出ししません。深夜0時以降は、18歳未満の方のご入店もお断りしています。

以上はこの店が自分の営業について整理したものです。どこまでが「営業の常態」かの判断は所轄の警察署によります。同じラーメン屋でも、酒のほうが主になっていれば届出は要ります。

600

決めごと

できること、できないこと

席に着いてから知ると遅いことを、先に書いておきます。下半分は、うちがやらないことです。

食券を先に

入って右の券売機で買ってから、空いている席へどうぞ。硬さは食券を出すときに口でおっしゃってください ── 券売機に硬さのボタンはありません。押した硬さと、実際に茹でる時刻が離れすぎるからです。

麺は全部同じ釜です

小麦は、どの丼にも必ず入っています。同じ湯で全部の玉を茹でているので、麺だけを分けることはできません。そばは扱っていません。

硬さを訊きます

おっしゃらなければ「普通」で茹でます。初めての方には、これから何分くらいいらっしゃるかを伺うことがあります ── 硬さを決めるのに、そちらのほうが役に立つからです。

席は九つだけ

混んでいる時間は外でお待ちいただきます。相席はお願いしていません。カウンターに仕切りは立てていないので、隣とは肩が触れる距離です。

スープは残していただいて結構です

全部飲み干すことを前提に味を決めていません。塩気はそういう濃さです。

会計は先払いのみ

券売機だけです。追加の替え玉は食券をお求めいただくか、口でおっしゃっていただければ最後にまとめて精算します。

できないこと

  • 出前も、持ち帰りもしません麺は丼の中でも茹だっています。店の外でも同じことが起きますが、そこから先は何分経ったのかこちらには分かりません。何分後に食べられるか分からない丼について、硬さの話はできません。このページで書いてきたことが全部無効になる売りかたなので、やっていません。
  • 粉落とし・湯気通しは出しませんスープを吸わない麺は、卓上でどうなるかを申し上げられません。硬さの表に載せてあるのは、断る理由をここに書くためです。
  • 大盛りはありません一玉 110g で固定です。大きい丼にすると、最後の三分の一が必ず伸びた麺になります。足りないぶんは替え玉で足してください ── 同じ量でも、茹でる時刻をずらせるからです。
  • 替え玉の予約はできません先に茹でておくと、その玉はてぼの中で伸びます。手が挙がってから茹でます。
  • お酒だけではお出しできません深夜に酒を出せている条件そのものです(「深夜のこと」)。丼をご注文いただければ、何時でもお付けします。
  • スープの販売はしていません持ち帰りの容器も置いていません。
600

お客さまの声

うかがったまま

バリカタで頼んで、写真を撮って、連れと話していたら、食べるころにはカタになっていました。三回目でやっと普通を頼めるようになりました。
常連の方
『何分いらっしゃいますか』と訊かれたのは初めてでした。二十分と答えたら、やわを勧められて、そのとおりにしたら最後まで同じ麺でした。
初めての方
終電を逃した二時半に、ビールだけ頼もうとして断られました。ラーメンを頼んだらビールが出てきたので、そういうことかと。
深夜のお客さま
600

釜と、スープ

岸 亮太

きし りょうた

店主/釜

博多で八年、五反田で六年。釜の前から動かないので、硬さを言われるのはたいていこの人です。「何分いらっしゃいますか」と訊いてくるのもこの人で、悪気はありません。

内海 千夏

うつみ ちなつ

スープ/仕込み

豚骨を炊いて、湯を替えて、深夜の麺を切らさないようにしている人。行列があるのに釜を止めているときは、この人が湯を替えています。

顔写真は載せていません。実在の方の顔を、架空の店主の名前と経歴に貼らないためです。印は文字盤で、針は十二秒のところに立っています ── うちが握っている時間です。

600

ご来店

五反田・九席

ご予約は要りません。九席だけなので、いらした順にお通しします。麺上げから丼まで 12秒、そこから先はあなたの時間です。

ご予約はできません

九席だけなので、いらした順にお通しします。お待ちの列は店の右手、シャッターの側に寄せてください。

混む時間

20時から22時と、終電のあと(24時半ごろ)。この二つの山のあいだは、たいてい座れます。

お子さま連れ

23時までは大丈夫です。カウンターだけなので、椅子に座れる背丈からとお考えください。麺は「やわ」でお出しします。

11:30 — 14:30

麺が無くなり次第、いったん閉めます

18:00 — 26:30

深夜も麺を切らしません

定休
無休

元日のみ休みます

丼とご一緒に

お酒だけのご注文はお受けしていません

03-6417-2891byo@byoshin.example

JR・都営浅草線・東急池上線 五反田駅 西口より徒歩3分